氷の女王に誓約を

ブロック大会と全日本ジュニアなら、朝飛の力量を考えれば多分大丈夫だろうけど、このままの状態で全日本に行ったら表彰台など夢のまた夢。


「もうすぐ試合だけど調子はどうだ?」


「え……うん。まあまあかな? 調子は上がってきてるし」


肉体面では問題ないようだ。


少しずつ身長も伸びてきてジャンプの軸がズレ始める時期だが、その日その日でキチンと修正出来ている。


朝飛の身体能力の高さと、大塚さんの経験豊富な知識とスキルで、通常では考えられないスピードで軸の修正を可能にしている。


急ごしらえのチームではあったけれど、二人の相性は想像した以上に良かったみたいだ。


ポテンシャルは高いが場数が少ない朝飛と、コーチ経験はないが知識と経験が豊富な大塚さん。


互いに互いを補っていて、良い関係を築いている。


「タク兄は? 初戦はNHK杯でしょ」


「うーん……調子は良いんだけどジャンプがな」
< 159 / 400 >

この作品をシェア

pagetop