氷の女王に誓約を

どう考えても私を避けています。本当にありがとうございました。


冗談はさておき、こうも避けられては学校も生活習慣も違う私たちが出会う確率は極端に低い。


家に押し掛けるという手もあったが、タクちゃんに例の事件がバレてしまう危険性もあるため行使できない。


朝ちゃんと二人っきりで話が出来る環境。それがこの中部選手権しか思い浮かばなかった。


まさか試合を放棄して逃げるわけにもいかない。ホテルもすでに特定済み。もう逃げられないよ朝ちゃん。


「こっち来て」


手を引いて歩きだす。


関係者専用の休憩スペースまで赴き、用意されているベンチに腰かけた。


リンクから一番遠い休憩スペースだから、幸い周りには人がいない。


ここならゆっくり話ができる。


朝ちゃんはずっと固まったまま。この状況で話ができるだろうか?
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