氷の女王に誓約を
不器用なくらい真っ直ぐで、こっちが不安になるくらいピュアな子で。
だけど突拍子もない所で暴走する。
「朝ちゃんのそういうところ大好きだよ」
朝ちゃんの顔はさらに紅潮して、耳まで真っ赤に染まった。
こちらが聞き取れるか聞き取れないかという微妙なラインの声量で、小さく「ありがとう」と呟くとそのまま押し黙る。
やっぱり話しづらいよね。
あの時、大ちゃんがお風呂から戻ってこなかったら、私と朝ちゃんは確実にキスをしていた。
恥ずかしいよね。未遂とはいえ気恥ずかしくなるよね。
ましてちゃんとした恋人同士じゃないのに、しちゃうところだったもんね。
「私の方こそ、ごめんね」
「え?」
顔を上げる。