氷の女王に誓約を

その表情は泣きそうでありながらも、驚きの色が入り混じった複雑なものだった。


「私も急なことで驚いちゃってさ、ちゃんと返事をしなかったでしょ。朝ちゃんが真正面から自分の気持ちを伝えてくれたから、私も目を見てちゃんと気持ちを伝えようって思ったの」


「きもち?」


「うん。告白の返事」


途端、朝ちゃんは凄い勢いで両耳を手で塞いだ。


目も堅くつぶって、まるで雷を恐れる子供のようだ。


突然の行動に私の目は点。ポカーン状態。


「……朝飛キュン、その行動の真意は?」


声をかけると今度は頭を左右に振った。


わ、訳が分かりません。最近の子の思考回路が理解不能であります。


「……きたくない」


「え?」
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