氷の女王に誓約を

「朝ちゃんもタクちゃんも、私にとって大切で特別な存在なの。好きという言葉だけじゃ足りないくらい大好きなの。
タクちゃんは一緒にいると凄く落ちつけて、気兼ねなく本音をぶつけられる存在で。朝ちゃんとは趣味が合うからか話してて凄く楽しいし、時々とんでもないサプライズもくれるから話題に事欠かない存在かな」


最後にちょっとシャレてみる。


朝ちゃんはまたしても小さな声で「ごめんなさい」を口にした。


本人は内心凄く焦ってるんだろうな。


そう思ったらまた笑えてきて、自然と口角が上がった。


「この気持ちが恋愛感情かどうかは今はわからない。もしかしたら時期が時期だから、今はスケートのことしか考えたくないから、無意識の内に恋愛感情じゃないと否定しているだけかも知れない」


だから……。


「落ちついたら必ず答えを出す。だから今はお互い、スケートのことだけを考えよう。ねっ?」


甘えたような、諭すような声色を喉から出す。


秘儀・姉声。
< 172 / 400 >

この作品をシェア

pagetop