氷の女王に誓約を

この声を聞いた弟属性を持つ者は、有無を言わせず首を縦に振る。


その効力は絶大で、朝ちゃんはコクリとしっかり頷いた。


「それじゃあ話はお終い。お互い五輪目指して頑張ろうね」


ポンッと朝ちゃんの頭を軽く撫でて、ついでに腕時計に目を通した。


そろそろ男子の試合も終わる。いよいよ私の出番がやって来る。


急いでリンクに向かおうと立ち上がると、釣られるように朝ちゃんも立ち上がる。


次の瞬間、


「へ?」


真正面から抱きしめられました。


背中に手が回っております。ギュッってされております。


親父にも抱きしめられたことないのにー!


……なんてことはないですね。小さい頃はガッツリ自分から抱きついてましたね。
< 173 / 400 >

この作品をシェア

pagetop