氷の女王に誓約を
この声を聞いた弟属性を持つ者は、有無を言わせず首を縦に振る。
その効力は絶大で、朝ちゃんはコクリとしっかり頷いた。
「それじゃあ話はお終い。お互い五輪目指して頑張ろうね」
ポンッと朝ちゃんの頭を軽く撫でて、ついでに腕時計に目を通した。
そろそろ男子の試合も終わる。いよいよ私の出番がやって来る。
急いでリンクに向かおうと立ち上がると、釣られるように朝ちゃんも立ち上がる。
次の瞬間、
「へ?」
真正面から抱きしめられました。
背中に手が回っております。ギュッってされております。
親父にも抱きしめられたことないのにー!
……なんてことはないですね。小さい頃はガッツリ自分から抱きついてましたね。