氷の女王に誓約を

「好きなだけ持ってっていいよ。私はパワーがあり余ってるから、ちょっと吸われた方がちょうど良いの」


「知ってる。だって美優姉は超野生人だもん」


「……ほーお」


乙女に向かって野生人とは、レディに対するマナーはまだまだ小学生レベルのようだ。


なので制裁。脇腹を抉るように手刀を潜り込ませた。


「いたっ、痛いって」


慌てて身体を離す朝ちゃん。


充電時間はもうお終いだ。こんなところ誰からに見られたら、大変なことになる。


パシャッ。


まして写真ななんて撮れた日には……って、ん? 今カメラのシャッター音が……。


恐る恐る音のする方へ顔を向けると、遠くの方でカメラを構えている小太りの男性が立っていた。


あの人、いつも無理やり恋話の話題を振ってくる記者だ!
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