氷の女王に誓約を
男子ですら90点越えをした選手は、それこそ片手で数えられる程度だ。
いくら国内のブロック大会で比較的点が出やすいとはいえ、ジャッジもド素人なわけがない。
中には国際資格を持った有名なジャッジをもいるし、彼女は世界選手権三連覇中の超トップスケーター
ジャッジも『もし国際大会でこの出来の演技をしたら、大体この辺りの得点が出るだろう』という目線で得点をつけるはずだ。
つまり彼女の演技は、安西美優というスケーターは、男子のトップスケーターをも凌駕する技術と表現を持ち合わせていると評価したことになる。
「……なあ、お前のショートの自己ベストっていくつだっけ?」
「83.85。その時は凄く調子が良くて、会心の出来だったんですが……」
「そっか。83か……」
なんていうかもう。
自信もやる気もプライドも、全てズタボロだ。