氷の女王に誓約を
静寂。そして停止。
テレビに向けられていた顔を、ギチギチと効果音が聞こえそうな動きでこちらに向けると、引きつった笑みを浮かべる朝飛くん。
第一声は、
「べ、べきょにつぉんあここがきぬえ……」
謎の宇宙言語だった。
「うん、俺が悪かった。とりあえず落ち着こう。そして日本語を喋ろう」
ここまであからさまに動揺するとは。冗談のつもりだったのに。
落としたトーストを代わりに片づけながら、朝飛の想い人を想像する。
誰だ? やっぱり同じ中学の子か?
初々しいなぁ。青春を謳歌しているなぁ。
「そうかそうか、朝飛にも春が訪れたわけか」
「ち、違うって! そんなんじゃないから!」