氷の女王に誓約を
ニコライ・リムスキー=コルサコフ作曲。シェヘラザード。
タクが初めて国際大会の舞台で滑ったという思い出深い曲らしい。
ゆったりとした曲調から始まる。
旋律に合わせながらステップを刻むと、最初の3Aを飛ぶためにリンクのコーナーを物凄いスピードで駆け抜ける。
早い。前に滑った選手とは比べ物にならないスピードだ。
ただ早いだけじゃない。あれだけの速度を出すにはかなりの助走をつけなければならないが、あっという間にトップスピードまで持ってくる。
効率よくエネルギーを速度に転換している証拠。どこに重心を置いて、どのようにエッジを傾ければいいのかをわかっている。
問題はこの速度のままでジャンプを跳べるか。
スピードがあった方が高く長く跳ぶことが出来るが、勢いが付く分コントロールが難しくなる。
さらに恐怖感も倍増だ。少し見誤れば猛スピードで壁に激突する。
弓形の軌道を描き、アクセルの態勢へ。