氷の女王に誓約を

仲良くなるのは必然か。


例え相手が、鬼のような鬼畜野郎だったとしても。


話を聞くと、つい先日コーチと大塚さんがバッタリ街中で遭遇。


久しぶりに二人で飲み明かし、本田コーチが「もしコーチ業に興味があるなら、一年だけでいいから俺のアシスタントになってみないか」と持ちかけた所、大塚さんは酒の勢いも手伝って即答でOKを出したらしい。


なんという軽率な判断だ。そしてコーチも、なぜ大塚さんにそんなことを持ちかけたし。


少し問い詰めたら彼は、


「今年は五輪シーズンだからな。五輪出場者が身近にいれば、色々と都合が良いだろう」


と、俺が五輪に出場できる体で大塚さんをサブコーチに任命したらしい。


大塚さんも断ればいいじゃないですかと言いよると、


「酒の席とはいえ先輩の約束を破るわけにはいかないよ」


と、陽気に答えた。


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