氷の女王に誓約を

内心嬉しいけど母さんの手前本音を出せない父さんに、どっちつかずの俺。


朝飛と母さんの闘いは一週間以上も続き、朝飛の粘り勝ちという結末に終わった。


「すぐ逃げ出すかと思ったけど、三年も暮らしたのよね。強い子なのか弱い子なのか、ほんとわかない子よね」


小さく笑い声をあげて、愛おしそうに髪を撫でる。


俺を釣られて笑みを浮かべた。


「朝飛は強いよ。俺なんかよりずっとさ」


そう、朝飛は強い。


強すぎて、こっちが不安になるくらい。


「……って、タクあんた試合! 中国じゃないの!」


「嗚呼、それなら大丈夫。辞退したから」


「はぁっ!?」


いきなり大声を出したせいで、ビクッと朝飛の身体が揺れた。
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