氷の女王に誓約を

飽きらめと悲しみが雑じり合った自嘲の笑みは、幼い心を深く抉り消えない傷を作ったのだ。


祖父母は、生まれた子供に対しても快く思っていない。


駆け落ちして勘当した二人の子など、自分達の孫ではないというわけだ。


ショックというより、納得の方が強かった。


嗚呼そうか、だから父さんと母さんは祖父母の話題を避けてたのか。だから祖父母は、手紙や電話も寄こさないのか。


俺と朝飛は、祖父母から嫌われていたのか。


ロクでもない穢れた子供と蔑んでいたのか。


「俺が知ってたってこと、知ってたんだ」


「扉の隙間でコソコソしてたらそりゃあね」


もっと慎重に動くんだった。俺の馬鹿。


「……最低じゃないって。最低な母親だったら、フィギュアなんてとっくに辞めさせてるよ」
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