氷の女王に誓約を

「とりあえず試着お願いね。もう少し付けたしたい所もあるし」


こうして元気になったんだから、良しとしよう。


「え? まだなんか付けんの?」


「男子だから多少重くても平気でしょ? 折角本田さんから貰った生地もあることだし、もうちょっとだけ工夫しようと思って」


「貰った生地? ……って、まさかコーチの衣装を!?」


「ええ、バラバラにして縫いつけたのよ」


前言撤回。もう少し元気が抜けて弱ってください。


もしこのことを口にしてしまったら、間違いなくコーチの逆鱗に触れるだろう。


果たして全日本まで俺は生きていけるだろうか。


運命の日まで、刻々と迫っている。



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