氷の女王に誓約を

キャッチフットレイバック。


背筋は羽生ほど柔らかくはないが、これくらいならタクにも出来る。


背中も見事に反っていて、ポジションも女子顔負け。しかもあの苦しい態勢のまま、八回転回り切る。


難しいポジションから即座に難しいポジションへ移行する高等技術だが、軸もブレずに回転速度も落ちていない。


寧ろレイバックのポジションになった瞬間、加速している。


それにしてもこの兄弟、生粋のスピナーだな。


兄はスピンのポジション規制を逆手に取って、新たなポジションを開拓し物にしているし。


弟は弟で、持ち前の回転速度を生かしてレベルを取りにいっている。


足換えコンビネーションスピン。文句なしのレベル4。


男子では珍しいスピンを披露すれば、後半のジャンプが待ち構える。


まずは単独の3A。


助走が少ない。自然な流れと振り付けの中で、ジャンプの軌道に入って行く。
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