氷の女王に誓約を

踏み切り前のカーブとジャンプの回転方向が逆のため、物理的に一回転しか跳ぶことができないジャンプだが、それをコンビネーションジャンプの直前に行い、見た目四連続ジャンプを成功させた。


ルッツジャンプが得意とはいえ、演技終盤に三連続。しかも直前にウォーレイを跳んでいる。


ハイリスクだが、決まれば〆のジャンプには申し分のない物だ。詰まることもなく流れのあるコンビネーションだった。


かなりの加点が期待できる。というより、あれで加点を貰えないわけがない。


リンクのショートサイド付近で、デスドロップからのフライングシットスピン。


軸足が深く入ったキャノンボール。曲が来るのを待ち十回転ほど回ると、軸足を少し持ち上げてフリーレッグを掴んでいた手を後ろ手で組み、頭上に掲げる。


キャノンボールの変形スピン。二つの難しいポジション、同一姿勢で八回転、そしてデスドロップ。スピンの取りこぼしなどありえない。


残り要素は二つ。


爽やかな曲調の中にも情熱的な味わいを漂わせるリズムに乗って、いざコリオステップへ。


レベル取りを考えなくていい。対角線を直線的に進むダイアゴナルステップをベースに、得意なステップとターンを織り交ぜて、心と身体を音楽と一体化させていく。
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