氷の女王に誓約を
指先から頭の天辺まで、全身をフルに使った激しいステップ。
それでも小川のように音もなくサラサラと流れて行くスケーティングは健在。
体力的にもっともキツイ終盤でも、奴のスケーティングは衰えない。
風を切るのではなく、風を纏うスケーティング。
ただ滑っているだけで、人を引きつけ魅せつけるスケーティング。
ラストに向けて曲調も盛り上げる。
段階的に曲のテンポも上がっていくが、タクのスケートも比例するように伸びて行く。
衰えるどころか良く動く。
動きには現れていないが、あれだけの運動量をこなしているのだ。体力も限界のはずだ。
それでもなお、タクのスピードは上がっていく。
気持ちよさそうに滑りやがって。あの顔は序盤のミスを忘れてやがる。
ラストはコンビネーションスピン。