氷の女王に誓約を

「今日だったんだね帰ってくるの。また三人で練習出来るね!」


「うん! また美優姉と一緒に練習出来ると思うとすっげぇ嬉しい!」


さっきから朝飛の頬が緩みっぱなしだ。


朝飛は熱血的な美優信者で、一時期神のように拝めていた時もあるくらい憧れの存在であり目標なのである。


とりあえず立ち話もなんだということで、美優は練習を打ち切って、三人でロビーにあるテーブルに腰かけた。


話のネタは主に朝飛のロンドン生活。


英語の勉強は俺と父さんが付きっきりで教え込んだので(とりあえずリスニングとスピーキングのみ)簡単な日常会話は大丈夫だったが、イギリス英語とアメリカ英語では微妙にニュアンスが異なるし、やはり現地人と直接対峙すると緊張してなかなか喋れなかったようだ。


それでも持ち前の明るさと、東洋人という物珍しさを逆手にとって、現地でも友達が沢山できたようである。


我が弟ながらまっこと逞しい限りだ。


「だけど三年も住んでたら愛着湧かない? その気になればイギリス代表として五輪出場も出来たわけだし」
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