氷の女王に誓約を
先にも述べたように、朝飛が日本に戻ってきた理由は“五輪出場”のため。
昨シーズンの朝飛の成績は、JGPS(ジュニアグランプリシリーズ)二戦二勝。JGPF(ジュニアグランプリファイナル)優勝。世界ジュニア選手権銀メダル。
そして、シニアの全英選手権優勝。
朝飛は現役のナショナルチャンピオンなのである。
タイトルだけ見れば十分五輪代表も夢じゃない。
もちろんイギリスのスケート連盟の役員方も、朝飛に大きな期待を持っていた。
だが朝飛は、イギリス代表としての選手生活を全て投げ捨て日本に戻った。
もちろんあちらのスケート連盟は大いに反対をしたし、コーチともそれが原因で契約解消。
最終的には双方納得する形で落ち着いたが、それらが原因で選手登録やらその他諸々の手続きが遅れ、朝飛はシーズン前半の国際大会に出場することが出来なくなった。
本来所属国を変えると最低でも一シーズンは国際大会の出場はできないが、日本とイギリス両方のスケート連盟が朝飛の所属国移転に寛大で、且つ朝飛がシニアの国際大会に出場していなかったこともあり、シーズン前半の出場停止に収まった。
とはいえGPSに出られないのはかなり大きい。