氷の女王に誓約を

「ななな、なんで大塚さんが俺のコーチに!? だってタク兄のコーチじゃんか!」


「だってお前コーチ就いてないだろ? 駄目もとで頼んでみたら、快く引き受けてくれたよ」


ただうちのコーチが猛反対して、説得するのに時間がかかったとは口が裂けても言えないけど。


自分が居ない間、俺の指導を見てもらうために大塚さんをアシスタントコーチに任命したのに、他の選手のメインコーチになったら意味がないとかなんとか言っていた。


そりゃそうだよなぁと思ったが、可愛い弟のためになんとか説得を続けた結果、ある条件付きで承諾してくれた。


その条件の結果が、今電話で伝えられたのだ。


「ただ大塚さんは俺のコーチでもあるから、練習拠点をここに置くことが条件。別に問題ないよな?」


拠点が一緒なら二人まとめて見てもらえる。これが本田コーチが出した条件。


「だけどタクちゃん、ここは基本的に強化選手しか使っちゃいけないんだよ。長久保さんが居たら絶対に入れないし……」


「それは今さっき解決した」
< 70 / 400 >

この作品をシェア

pagetop