氷の女王に誓約を

二人仲良く首を傾げる。


眉尻を下げて悩める表情をする二人が可笑しくてもう少し眺めたかったが、これ以上話を伸ばすのも可哀そうなので電話の内容を口にした。


「朝飛が強化選手になれるように、大塚さんが役員の人達に話をつけてくれたんだ」


そしたらどうなったと思う?


「来週の公式発表で特別強化選手に指定してくれるって」


再び沈黙。


あれ? 早口で喋ったから聞き取れなかったか?


もう一度言い直そうと口を開きかけた瞬間、再び二人の大絶叫が鼓膜を襲った。


「ど、どうして!? だって俺まだイギリスのスケ連所属になってるし、それに特別強化選手って、全日本上位陣しかなれないんじゃないの!」


「まさかタクちゃん……あれか! 会長さんに黄金色の饅頭を渡したのか! ショーの出演も増えたから、その軍資金を使ったのね!」


「ジャパニーズ賄賂!? タク兄は越後屋だったんだね!」
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