氷の女王に誓約を
もうそれがあたりまえになっていて、今更色んなブレードを試してみようとは思わなかったのかもしれない。
自分すら知らなかった十何年目かの衝撃の事実に、大塚さんはある答えを導き出したようだ。
ただその答えが俺にとっては今後を左右しかねない重大発言だったのである。
その答えとは……。
「あくまで俺の推測だけど、もしかしたらタッくん“自分に合わないブレード”を使ってたんじゃないかな?」
「えーと、それってどういう意味ですか?」
「俺のブレードがタッくんのスケーティングに一番合ってるってこと」
「大塚さんのブレードが?」
目線を落とす。
トゥが小さいスケーティング重視のブレード。
まさか。そんなことあるわけない。