氷の女王に誓約を
もし全日本で結果を残せなければ、それらの大会には派遣されない。
そうなると来シーズンのGPS出場は難しくなる。
そのための保険に、世界ジュニアに出場しようと大塚さんが朝飛に提案した。
前の世界ジュニアではジャンプの転倒が響いて惜しくも二位だったから、そうとう悔しかったのだろう。
朝飛も世界ジュニアのタイトルを取る気満々のようで、大塚さんの提案に乗っかった。
世界ジュニアで表彰に乗れば、シニアのGPS一大会は保障される。
その時の得点が高ければ、シーズンベストスコアのランキングでもう一大会割り当てられて、最大の二大会出場も不可能じゃない。
来シーズンのことも考えれば、やはりここはジュニアとシニアの掛け持ちが一番安全だろう。
もちろんその分試合数も多くなるし、ジュニアとシニア両方のプログラムを作らなくてはいけないから負担も増えるが……。
朝飛の今シーズンのFPは、昨シーズンのものを持ち越して多少アレンジすることに決定した。
昨シーズンのプロをまだ完璧に滑りきっていないというのが持ち越しの理由の一つだが、ただでさえ環境を急激に変えた上で、ジュニアとシニアの掛け持ちだ。