氷の女王に誓約を

「だけど思ったより面白かったな。前半の意味不明な感じも、スタッフにしてやられたって感じだ」


「うんうん。だんだん謎が解明されていく感じが面白かったね」


という感想をチラホラ述べて床に着いたのだったが。


問題は次の日(正確には今日の夕方)に起こった。


「バッカーノのオープニングの曲でショートを滑る!」


意気揚々と高らかにそう宣言した弟の両肩を掴み、俺は黙って首を横に振った。


「お前は昔から猪突猛進な所があるけど、いい加減少しは考えような」


弟を諭すとき無意識に使う兄声を用いて説得を開始。


確かにあのオープニングは洒落ていてかっこいい。


アニメのオープニングでは珍しいオフボーカルで、軽快なジャズナンバーだ。


上手く編集すれば、スケートとの相性も良いだろう。


だからって、シニアの選手がアニソンで滑るのはちょっと恥ずかしいだろ。
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