氷の女王に誓約を

朝飛の肩越しからディスプレイを眺める。


その瞬間、俺は言葉を失った。


まじかよおい。中国パネェッ。


「ね?」


どや顔の朝飛。


パソコンのディスプレイに映っていたのは、衣装と呼ぶには少々難がある、まあつまりコスプレしている男性がリンクの上でなかなかの滑りを魅せている映像だった。


「皆普通に使ってるから問題なし! というわけで……」


期待の眼差しが向けられたが、そっぽを向いて目を合わせないようにした。


駄目だ駄目だ。昔ならまだしも、今や俺と朝飛はライバルなのだ。


いくら兄弟で、共に大塚さんに師事しているとはいえ、敵に塩を送るなんて出来ない。


「タク兄ぃ……」


俺の腕を掴んで、今度は甘えたような声を出す。
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