幸せタクシー
それは、酷く雨の降りしきる日だった。
視界の悪い道を歩く女子高生と女子中学生2人が車に跳ねられた。
車は、カーブを曲がりしな、壁にぶつかると同時に女子高生を跳ねた。
女子中学生は軽傷だそうだ。
女子高生は車と直接ぶつかり壁に頭を強く打ち出血も多く、救急隊が駆け付けた時にはもう息を引き取ってしまった。
その女子高生は、美貴だった。
1年前に駆け付けた時に見た、親父の姿と同じように、
美貴は、病院のベッドで眠っていた。
母さん:「嫌よぉ!嘘でしょう??嘘だと言ってぇ!!!」
その隣で泣きじゃくる母さんの声がドンドンと消えてゆく。
何も見えなくなった。
何も考えれなくなった。
あんなこと言わなければこんなことにならなかった。
俺の目の前は暗闇に包まれ、光さえ届かない奥底へ
俺が、あんなこと言わなければ
美貴は生きていた…―。
悔やみきれない過ちを…俺は犯してしまったんだ…