幸せタクシー
「幸せタクシーか。」
ポツリと小さい声で呟く。
幸せになりたい、とか特にない。
別に、こんな何もない人生を変えたいとも思わないし。
夢も特にない。
それにまず、タクシーなんて高いし乗らないし。
トントンと机を叩かれ隣を見ると、紗英がニコッと笑った。
紗英:「続き聞きたい?」
今は授業中。
だけどクラス中騒がしい。
先生も怒らないから皆あんまり先生の話を聞いてない。
「うん。」
興味あるわけでもないし
興味ないわけでもない
半々…。やっぱり、真ん中。
とりあえず、返事をすると紗英は嬉しそうに話始めた。