空になったセブンスター
季節はもう秋。風もだんだんと冷たくなってきて、Tシャツ一枚じゃとても過ごせなくなっていた。
遼祐とさくらは渋谷にいた。
遼祐がさくらと付き合い始めて一ヶ月が経った日だった。
センター街をぶらついて、お揃いのネックレスを買って、マックで食事をして、その日は帰宅した。
家に着くと、部屋にこもり電話をかけた。

『もしもし、さくら?今日はどうだった?』
『うん、ネックレス嬉しかった。遼ちゃん…ありがとね。ずっとずーっと大切にするからね。』
『さくらのプレゼントもめちゃくちゃ嬉しかったよ。』

遼祐はあらかじめ下見をして、ネックレスを買う店に連絡をいれておいた。
その店の前を通ったとき、便所借りてくると言って店に入り、ネックレスを買ってでてきた。
さくらは感激していて、最高の笑顔を見せた。
あの八重歯が見えたとき、遼祐も嬉しかった。

別れ際に、さくらが星が綺麗と言うので空を見ていたら、頬に何か感触があった。
照れ臭そうにじゃあねと言ったさくらは小走りで去って行った。

『いよっっしゃぁぁあぁあ』

遼祐はたまらず叫んでしまった。

時刻は21時をまわっていた。
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