意地悪王子のお気に入り

あたしの後ろから男にしては少し高い声がした。


すると、クラスの子はあたしに向けていた視線を一気に他へ移す。


もしかして、今あたしの後ろにいるのが、例の4人中の1人??


「あ、例の推薦で転入してきた人??水谷サツキちゃんだっけ??思ったより、美形だね。」


あたしは後ろを勢い良く振り返った。


あたしが一番驚いたことは…


ここはブレザーのはずなのに…なぜ学ラン??


「学ラン??」


赤いTシャツに学ランを来たショートヘアの黒髪の男。


耳には小さなピアスをしていて、赤い瞳。しかも…


美形だ。



「ブレザー着心地悪いじゃん。だけどね、普段はちゃんとした制服着ているからっっ」


と、口をとがらせて、小学生みたいに駄々をこねる。


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