意地悪王子のお気に入り
そして、いつの間にか両手を塞がれているうえ、周りに人がいて、蹴りあげるわけにもいかない。
あたしの本性がバレてしまう。
あたしは、ただ、彼の顔を見て、顔を赤く染めらすことしかできなかったんだ。
ちょっと、悔しいけど。
「うん、かわいいね。」
金原さんは無邪気な笑みを浮かべて、ようやく離れて行った。
「??」
あたしが首を傾げると、あたしの頭に金原さんは右手を乗せてきた。
「普通なら、僕と見つめあう女子はすぐに逃げちゃうのに、君は逃げないんだね。」
「なんで、逃げるんだろうね。」と笑みを浮かべて金原さんはクラスの女子を視線は移動させながら見る。
周りの女子は足がすくんで動けないようだった。
すくんでいるっていうか、その目に囚われて、動けないっていう感じ。
「オレからこんな近距離で目を離さない女の子なんて初めてだよ。」
…あたしの勘違いだったらすみません。
確かに、金原さんを遠くで見る分、目の保養にでなるぐらいカッコイイです。
ただ、ね。