意地悪王子のお気に入り
素直に口から零れてしまい、あたしの体までもが震える。
いつか、あんな目であたしのことを見るかもしれない。
そんなんだったら嫌だ、怖いよ…
「おや、素直だね。明日は雨かな??」
笑いながら冗談を言うソラに対してあたしは笑う余裕なんてない。
今ここにいるだけでも怖くて…
声が震えたり、体が震えたりするのに…
「言っておくけど、サツキちゃんにあんな顔しないから。」
あたしは、下を向いていた顔をあげてソラを見た。
安心を得たのか、ホッとする。
「サツキちゃんはオレのお気に入りなんだから。」
「は?」
だから、お気に入りって何??
「いやー、今まで人間観察してきたけどさ、サツキちゃんみたいに素直で反応が面白くて、怪力娘は初めてだよ。」