意地悪王子のお気に入り
なんだ、このウザイ生物は。
小学生ですかっ。っとツッコミをいれたくなるぐらいのベタな嫌がらせ。
あたしはつないでいた手を上下にぶんぶんと振りまわした。
「何々?異性と手をつなぐの初めて??」
あたしは黙り込んだ。
そして、振っていた手も停止した。
確かに、初めてかもしれない…
だって、中学時代とか、不登校に近かったし…
「初めてだよ、バカ。」
すると、ソラは目を一気に開かせた。
そこまで、驚くことないじゃんか…
「意外だね、じゃあキスも抱かれるのも初めてなんだ。」
あたしは素直に頷いた。
あ、なんでこんな話に…
「そっか、」
ソラは満足気な笑みを浮かべていた。
だけど、手を離すことはなく、ずっと手をつないだままあたしたちはソラの家へ向かったのだ。