【短編】きみとぼくの未来図
「早紀、話がある…」
話し続ける早紀を遮って、ぼくは彼女を見つめた。
早紀はきょとん、と目を丸くしたあと、少し険しい表情でぼくを凝視する。
「何…?話って」
「うん……」
ゴクリ、息を呑む。
ぼくのが伝わったのか、早紀も些か緊張した面持ちでぼくをじっと見つめた。
早紀の目が僅かに潤んでいる。
もしかして、早紀はこれからぼくが言おうとしていることに気が付いている…?
「あのさ…ぼくと…」
「あーーーっ!!!
やっぱり聞きたくない!」
「……え」
ゴーン……
どこからか終わりの鐘の音が聞こえる。
どうやら早紀は、ぼくと結婚したくないらしい。