偽りの結婚(番外編)
長い睫毛に隠されたエメラルドグリーンの瞳は、吸い込まれそうなほどに綺麗で。
その瞳に自分を映したいと思うも、昨夜、散々酷使した彼女を起こすわけにもいかず・・・
背後の照明を消そうと宙に浮いていた手は、そのまま最愛の妻、シェイリーンの背に回される。
ラルフの上着を羽織るだけのシェイリーンを引き寄せると、包まれた温もりにすり寄るように顔を寄せた。
そして、ふわり、と微笑む。
・・・・っ!!
「それは反則だろう・・・っ。」
口元に手をあて、顔を赤く染め上げるラルフ。
いつも・・・自分だけが落とされてしまう。
欲しいと焦がれて、手に入れて。
それでも尚、渇きを訴えるこの想い。
こうして身体を重ねても、まだ求めてしまうのは欲張りなのだろうか。
しかし、シェイリーン相手では、どこまでも貪欲になる自分を抑える事は出来ない。
ラルフは、まるでシェイリーンを自分に繋ぎ止めるかのように、柔らかな身体を抱きしめて、再び夢の中へ誘われる。
部屋を淡い光で包む照明はそのままに・・・・