偽りの結婚(番外編)
侍女と側近の主事情【完結】
王宮のある一室。
その部屋は、王宮で働く使用人の為に用意された部屋。
その部屋で……
「「はぁ……疲れた。」」
深い溜息と共に、疲れ切った声が響く。
そう言って、ダブルベッドに座ったのは、王子の側近と妃付きの侍女。
それぞれ、今日の仕事を終えて、部屋に戻って来たところだ。
「ロイド、お疲れ様。」
そう言って、労りの言葉を投げかけたのは、若いながら仕事を買われている優秀な侍女。
「あぁ、モニカも、お疲れ。」
それに答えたのは、小さい頃から王子に使える側近。
夫婦でもある二人は、王宮の一室を与えられていた。
「今日は、どうだった?」
モニカが、疲れた顔のまま言う。
これは、夫婦のお決まりの会話。
毎日と言っても良い程交わされる話の始まりの合図……