偽りの結婚(番外編)
昔の女?【完結】
「わぁ……すごい!」
馬車の外の光景に、思わず感嘆の声が漏れる。
「初めて、ネイル王国に来た感想はどうだ?」
隣に座るラルフが、こちらを伺う。
「モルト王国と、また違った良さがある国だわ。」
そう、今日はネイル王国の王子から結婚式の招待状を受け、ネイル王国へ来ている。
再び、馬車の外を見れば、緑豊かで広大な土地。
モルト王国の城下は、街並みが綺麗でおしゃれな国だけど、ネイル王国は見渡す限り緑だった。
「ネイル王国は、自然豊かな国で、土地面積は随一を誇るんだ。」
どうりで……
先程から見えるのは、その広大な土地を使って栽培される野菜や花々。
次々に目に入る、緑や、赤や、青の植物たちは、ずっと見ていても飽きない。
「あの花は何ていう花かしら?見た事ない花だわ。あっ…あの花も!」
馬車の窓から顔を出してしまいそうなほどに、開け放した窓に寄りかかっていると―――
「そんなに、身を乗り出すと落ちるぞ?」
隣に座るラルフが、苦笑しながらこちらを見る。
あっ……また、子供って思われた?
ラルフの温かな視線に、恥ずかしくなって、身を乗り出していた体を元の位置に戻す。
「騒いだり、急に大人しくなったり。君は本当に忙しいな。」
ラルフからククッと耐えきれない笑みが漏れる。
「ご、ごめんなさい。」
顔を赤くしながら、何故だか謝る。