偽りの結婚(番外編)
「んっ・・・おも・・ぃ・・・。」
眉を寄せ、覚醒の声を上げるシェイリーン。
気だるい身体に、更に重い腕が絡まっていて、身動きが出来ない。
何とか眠い目をこすり、ゆっくりと目を開けると、見慣れた光景。
目の前にはきっちり服を着込んだラルフが気持ちよさそうに眠っている。
対する自分はというと・・・
「・・・・・。」
自分の格好を見て、かぁっと顔を赤らめるシェイリーン。
裸でないだけマシだが、見に纏っているのはラルフのマントだけ。
こちらも、見慣れた光景だった。
マントが大きくて良かった・・・って、そうじゃないわね・・・
シェイリーンは心の中で、突っ込む。
もう、起きなきゃ・・・
そう思って、ラルフの腕の中で身じろぐと、ハラリとマントが肌蹴る。
「ぁ・・・っ!」
誰に見られるわけでもないが、恥ずかしく頬を染めながら直そうと胸元に目線を向けると・・・