偽りの結婚(番外編)
けど、さすがのラルフも、婚約者に手を出すわけはないし…
だとしたら、知っていると言う事?
じゃぁ…・知らないふりをするのは?
本人に聞くのが一番早い。
「……ガ、ガーネットさんと……。」
緊張の面持ちで聞けば、クスクスと耐えきれない笑みが零れるラルフ。
「な、何で笑うの?」
そんなに面白い事言ったかしら?
ラルフは、クスクスと笑った後―――
「いや……。どうだろうな?」
笑いを耐えながら、意味ありげな視線を寄こすラルフ。
「ッ……な、何かあったの?」
どちらともとれる返答に、一瞬で焦り始める。
「あったらどうする?僕とガーネットが寄りを戻していたら?」
真摯な瞳がこちらを見つめる。
それに、何故かこちらの方が焦りながら、口を開いた。