偽りの結婚(番外編)
けれど、いつもに増してラルフの欲は高まっているようで…
「ま、待ってラルフ。」
明らかに熱のこもったブルーの瞳を見上げながら、説得を試みるも―――
「待てない。」
「ひゃっ……ぁ……」
首筋に感じるラルフの唇の感触。
首から鎖骨にかけて這う舌に、ぞくぞくと快感が体を駆け巡る。
羽織っていたマントなど、とうに床下に放り投げられ…
ドレスを支える頼りない肩ひもは、横にずらされていた。
「いや…ぁ……ラルフ……」
光の下で、露わになる胸元。
鎖骨から肩の付け根まで口づけを落としていくラルフに、羞恥はピークに達する。
「なんでっ……今日はこんな…っ。」
ラルフが口づけた所に、赤い花びらが散っている事も構わずに、戸惑う。
いつもは、明りを消してくれるのに…
「すまない。」
潤んだ瞳でラルフを見上げれば、余裕のない表情で謝られる。
けれど――――