偽りの結婚(番外編)



「けど、君の全てが見たい。潤んだエメラルドグリーンの瞳も、赤くなった頬も、僕を誘う唇も。」

そう言って、ラルフは目に頬に唇に、口づけを落としていく。



「でもっ……恥ずかしい……。」

消え入る様な声でラルフに訴えるも…



「大丈夫。綺麗だよ、シェイリーン。」

全然大丈夫じゃないわよっ!

ラルフは、私の羞恥など気にする事なく、口づけを再開する。



「ふっ……い…や…ぁ…。」

「嫌という割に、行動が伴っていないみたいだが?」

クスッ…と笑うラルフ。



「もう随分前から拘束はしていないぞ?」

え………?

ふと気付けば、私の手を掴んでいたラルフの手は、私の背中と後頭部に差し入れられている。

解放された私の手はと言うと……


「ッ………!」

あろうことか、ラルフの背に手を回し、衣服を掴んでいた。

瞬間、ボンッ…と音を立てたのではないかと言うくらい真っ赤になる。



「これは……その……。」

パッ…と手を離しても、もう遅い。



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