偽りの結婚(番外編)
お酒は20歳から【完結】
その日は、いつもと様子が違うと思っていたんだ……――――
まだ薄暗さの残る朝―――
意識がまどろむ中、うっすらと目を開けば…
やっと昇り始めた太陽がカーテン越しに控え目に主張していた。
腕の中の愛しい存在はまだ夢の中。
すっぽりと収まる腕の中で気持ちよさそうに眠っている。
いや、正確には疲れてぐったりしている…の間違いだろうか。
昨夜、散々酷使した為、シェイリーンが起きるのは少し先だろう。
これも全て計画のうちだった。
まぁ、計画などなくともいつだってシェイリーンを求める欲望は抑えられないのだが…
心の中で苦笑した後、ゆっくりと自分の服を掴むシェイリーンの手を解いていく。
いつもならばまだ寝ている時間だが、今日ばかりは起きなければならない。
ギシッとキングサイズのベッドが小さく軋んだ後、ベッドからスルリと抜け出す。
「シェイリーン、また後で。」
ズレた布団をシェイリーンにかけ直し、頬へ口づけを落とす。
シェイリーンは、んっ…と小さく声を上げたが、深い眠りについているのか、目を開ける事はない。
それを愛おしく眺めた後、静かに寝室を出た―――