偽りの結婚(番外編)
「どうすればいいか教えて?」
人の上に跨っておきながら、そんなことを言うシェイリーン。
いつもされるがままになっているので、押し倒してもそれから何をしていいのか分からないのだろう。
いつもなら、からかっているところだが…
今はそんな余裕がない。
脇腹にピタリとくっつく柔らかい脚と、胸に置かれた細い腕。
誘うように揺れるエメラルドグリーンの瞳に見つめられて、平静を保てる者などいないだろう。
そして、そんな心の葛藤があることなど露知らず。
シェイリーンは頬を赤らめて口を開く。
「上手くできる様になるから。」
「は!?」
驚きで開いた口が塞がらない。
「ちょっと待った!」
ついでに言うと、胸の動悸がやけに煩い。
一度深呼吸をしよう……
心の中でそう考え、大きく深呼吸する。
しかし、顔は珍しく赤くなり、熱は上昇するばかりだった。
普段のシェイリーンでさえ、自分の欲を抑えるのに必死だというのに…