偽りの結婚(番外編)
もう一度、口づけしようと近づいた時…
「待っ…て……」
ピタッと口に手を添えられ止められる。
それを不満に思ってムッとしていると…
「きょ…は…私がするっ…て……」
荒い呼吸を繰り返しながら、そんなことを言うシェイリーンに目を丸くする。
あれは本気だったんだな。
だが……
「何故今日はそんなに積極的なんだ?」
酒のせいだと言えど、ここまで変われば聞いてもみたくなる。
「だって……」
「だって?」
目を逸らして言いにくそうにするシェイリーンを促す。
すると、シェイリーンは目を伏せて口を開く。
「……飽きられたくなくて。」
ともすれば聞きこぼしそうなほどに小さな声で話すシェイリーン。
嫌な予感がする……
「確認の為に聞いておくが、誰が誰に飽きると?」
まさか…とは思いつつも、確認の為に問いかけた。