偽りの結婚(番外編)
そう…どうしようもないくらいにシェイリーンに囚われている。
今まで、数多くの女性と付き合い。
その度に、別れを繰り返してきた。
後腐れのない女を選んできたつもりだったが…
中には面倒くさい相手もいて。
シェイリーンへの気持ちに気付き、関係を清算しようとした時は態度を変え引きとめられた。
だが、いくら泣きつかれようと、いくら懇願されようと誰として引きとめる事の出来た女はいなかった。
「落ちついたかい?」
そう聞けば、コクンとゆっくり頷くシェイリーン。
「少し酔いも冷めたみたいだね。」
途端、かぁ…と顔を赤らめ居た堪れない様子になる。
いつものシェイリーンが垣間見られ、半分安堵し半分残念に思う。
こんな事でもない限り、シェイリーンが積極的になってくれないからな。
まぁいい…押し倒されるより押し倒す方が好みだ。
それに、シェイリーンに無理をして傍に居て欲しくない。
止められないと言ったのは自分だというのに、結局はこうなる。
シェイリーンにはいつもペースを崩されるな…
だが、今更やめるつもりはない。
一旦高ぶった欲はじりじりともどかしい疼きを訴える。
「シェイリーン。」
名を呼べば、フッと顔を上げるシェイリーン。
意外な事に、シェイリーンも期待を瞳にのせていた。