偽りの結婚(番外編)
次の日――――
私はノルマン家に来ていた。
いつものようにアリアの部屋に通され。
いつものように紅茶を飲みながらおしゃべりをする。
……のだが、今日は違った。
「……というわけ。」
神妙な面持ちで話を終える。
出された紅茶とお菓子は、出された時のまま。
綺麗に並べられたお菓子は手をつけておらず。
カップに入れられた紅茶は冷めてしまっていた。
けれど、それすら忘れるほど一気に話しきった。
すると、同じく何も口にせずに話を聞いていたアリアが口を開く。
「怪しいわね。」
眉を顰めてそう言うアリア。
「ッ……やっぱり?」
その言葉に、一気に不安は増す。
アリアの口から聞いた言葉だからかもしれない。
「毎日夜遅くて、理由を言わない。シェイリーン大好きなあのラルフ様がおかしすぎるわ。」
後半は置いておいて。
やっぱり私が感じていた事はおかしくなかった。