偽りの結婚(番外編)
やっぱり目的はシェイリーンか。
そう思って横に目を落とすも、双子が大好きなシェイリーンはまだ起きる気配がない。
「まだ寝ているよ。」
サッと布団を肩までかけてそう言う。
すると、レナはベッドの反対側まで回ってまた背伸びをする。
「ほんとだ……」
すやすやと気持ちよさそうに眠るシェイリーンを見て、しゅんと眉尻を下げるレナ。
「だから言っただろう。母様はまだ寝てるって。」
“まだ”というレオの言葉に罪悪感を感じるのは昨夜の自分の所業所以か。
ここ最近、政で王宮を離れることが多く、まだ幼い双子を連れて行くわけにはいかずシェイリーンは王宮に残して行き。
昼間はもちろんのこと、夜もすれ違うことが暫くあった。
やっと昨夜王宮に帰ってこれたわけだが、久しぶりに会った愛おしい妻を前に抑えなど効くはずもなく抱きつぶしてしまったのだ。
しかし…昨日は焦らしすぎた。
ベッドに深く体を沈め、全く起きる気配のないシェイリーンに少し申し訳ない気持ちになる。
そんな罪悪感に苛まれていると…
ギシッ……――――――
ベッドを軋ませてシェイリーンが寝返りをうつ。
それに伴ってスルッと滑らかな肌から布団が流れた。
あ…と思った時にはすでに遅く、きめ細やかなシェイリーンの肌が布団から覗く。
目の前にあるシェイリーンの背を見て、レナの丸い目がパチパチと不思議そうに瞬き…