偽りの結婚(番外編)
「おはよう、シェイリーン」
シェイリーンに口づけを落として応える。
目は覚めたが起き上がらないところを見ると、昨夜の行為がたたったようだ。
口づけにくすぐったそうにしていると…
「母様っ!」
「え…レナ……?」
嬉しそうなレナの声にビクッと体を揺らしてくるりとレナを振り返るシェイリーン。
シェイリーンが起きたことに気付いたレオもレナがいた方へ回る。
「おはよう、母様」
「レオまで……おはよう、今日は早いのね。」
レナとレオの頭に手を伸ばし撫でれば、二人とも嬉しそうに顔をほころばせる。
心なしか自分の時よりも嬉しそうなのは母親だからだろうか。
子供は母親に懐くからな。
ろくに相手をしない父親よりも優しい母親が好きになるのは仕方ない。
「今日はね、父様が王宮にいるって母様言ってたでしょう?」
わくわく…という言葉がふさわしいくらいに声を弾ませるレナ。
レナの問いに、何故かシェイリーンが頬を赤らめながら「そうね」と答える。
確かに今日は遠出もなく、一日王宮にいられる日だった。
「けど今日はパーティーってモニカが…」
「いいの!父様と母様とレオとレナがいるならいいの!」
少しむきになってレオに突っかかるレナ。
それを見て、シェイリーンと顔を見合わせる。