偽りの結婚(番外編)
けれど、今日は例外だった。
今日、ラルフとシェイリーンはモルト王国の舞踏会に招かれていた。
舞踏会と言えば、ドレスを着るわけで・・・
たまにはこんなドレスもいいんじゃないかしら、といってリエナが選んでくれたドレスは、胸が広く開いたドレスだった。
聞けば、そのドレスはリエナが着ていたドレスだと言う。
「これでは、あのドレスは着れないわ・・・。」
しゅんと、項垂れるシェイリーン。
「他のドレスを着れば良いだろう?」
まるで空気を読まないラルフに、シェイリーンは濡れた瞳でキッと睨む。
百歩譲ってキスマークを付けるのは良しとしよう。
けれど、こんなに上の方まで付けることないじゃない・・・
昨日、あんなにお願いしたのに・・・
いつものようにラルフに組み敷かれ。
キスから始まるラルフの与える熱に翻弄されながらも、うわ言のように呟いていたのを覚えている。
そこまで思い出して、また顔を赤くするシェイリーン。