ジキルハイド症候群



「今、何時……?」

「お昼よ……ご飯食べなきゃ」

「ん」


肩口に顔を埋めながらうつらうつらとしている蒼真にあたしは肩の力を抜いて蒼真の背中を撫でた。


とりあえず、不機嫌さより、眠気が勝ってくれたみたいだ。


「蒼真、寝起き悪いねー」

「いつもだろ……ほら、」


廉は、売店で買ってきたパンや飲み物をあたしと蒼真の分を渡してくれた。
お礼を言って受け取り、蒼真に声をかける。


「蒼真、ご飯」

「………ぁあ…」


眠そうな声で返事をして、欠伸をする。
肩口が離れて目を擦る。


「だり……」

「ココアと珈琲どっち?」

「……恵里が選んだ残りでいい」


ぐうっと伸びをして、首を左右に倒す。
更にぐるりと回しながらさりげなく亜理砂を睨んだのを見逃さなかった。


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