ジキルハイド症候群



あたしは、自分の部屋には向かわないでその足で向かい側にある茉里の部屋に向かった。


ノックもせずに開ければ、まるであたしが来るのを予期していたように椅子に足を組みながら座っている茉里がいた。


「ちょっと着替えていたらどうするわけ?」

「…………」


あたしは、その場に鞄を落として茉里に近づく。
そして、眼前に立つと、大きく手を振りかぶった。


――――パァンッ。


「………何するのよ」

「あたしの台詞よ」


キッと睨まれて、あたしも睨み返す。


「何の事?」

「しらばっくれないで………あたしのクラスバッチ返しなさい」

「はぁ?なんであたしがあんたの持ってるのよ?」


ハッと鼻で笑う茉里にあたしは今にも爆発しそうなのを必死に抑える。


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